
家から歩いて10分の動物病院は、先生と看護師さんのふたりでやっておられる、町のかかりつけ医、というような存在でした。
ハルの血液検査結果を見ていただき、今後の治療方針を相談しました。
腎臓病は、腎臓の中にあるたくさんの小さなフィルターがつまって壊れていって、どんどん使えるフィルターがなくなっていくようなもの。一度壊れたフィルターを直してまた使えるようにすることはできません。
点滴や投薬などは、進行を遅らせて、少しでも余命を伸ばすために行うものです。
私たちが一番に大切にしたかったのは、残された日々をできる限り、ハルちゃんが苦しくなく、機嫌よく過ごしてくれること。
QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を高めてあげたいというでした。
余命を伸ばすために入院や手術で苦痛やストレスを与えることはしたくない。
しかし何もしないでいると、吐き気や気持ち悪さが続いてしまう。
私たちが選択したのは、皮下点滴と投薬でBUNとCRE値の改善をはかる、ということでした。
薬は、ラプロス、フォルテコール、ネフガード、セミントラ。
点滴も投薬もその瞬間、ハルにとって苦痛ではあります。
しかし、腎不全による二日酔いのような気持ち悪さを軽減させることができる、ということ。
少しでも楽に余生を過ごして、もう少し一緒にいられる。
そして先生がおっしゃったのは、とにかく食べてくれること。ハルは大きいので、食べなければ身体を維持することができません。
先生は、「食べてくれたらいいんだけどね」、と腎臓病療養食のサンプルをたくさんくださいました。
ロイヤルカナンの腎臓サポートのドライ、ウェット
ヒルズの腎臓ケア k/d
スペシフィック 猫用 FKW 腎心肝アシスト
「療養食を食べなかったら、食べたいものを食べさせてあげて。とにかく食べないよりは食べた方がいいから」
残念ながら、ハルは療養食は、ぜんぜん食べませんでした。
結果的に、全くごはんを食べなくなる直前まで、ハルは大好きなおやつを食べたいように食べました。
もしかしたらそのことが、残された日々を短くしたかもしれませんが、好きなものを好きなように食べてご機嫌にしてあげれたのだったら、それでよかったと思っています。